育毛と毛髪の知識
頭皮の毛乳頭への血管は皮膚のごく浅いところを通っていることも大きな特徴です。
夏の海などで強い紫外線を浴びて全身が日焼けした後、しばらくすると頭皮はフケ
が多くなり、背中や腕の皮膚は皮が剥けてきます。
このような状態になった後、頭では抜け毛が多くなりますが、同じように紫外線を
浴びても顔のヒゲや背中、腕に生えている毛はそのままです。通常の皮膚に生えて
いる体毛の毛乳頭は、おもに皮膚の深い部分の皮下組織を通る毛細血管(皮下血管網)
から栄養を受け取っています。
それに対し、髪の毛の毛包や毛乳頭に分布している毛包周囲血管網や毛乳頭毛細血
管は、ごく浅い表皮側を走っている毛細血管(毛乳下血管網)いよって酸素や栄養が供
給されていることから、皮膚に異常があると血流にも異常が起こり毛が抜けやすく
なるのです。
髪の毛の血管系は毛根をカゴのように包むように分布しています。頭をケガすると
出血しやすいのも浅いところと通っている血管が多く発達しうているからなのです。
この乳頭下血管網にある真皮乳頭毛細血管は、マイクロスコープで皮膚を透過して
観察すると、血流の良い頭皮はループが糸ミミズの様な状態で観察することができ
ます。このように他の皮膚とはいろいろ違った特徴を持っており、長い髪が生える
土壌となっている特別の皮膚であることから頭皮と呼んでいます。
また、髪の毛の生えている基にある皮膚ということで地肌とも呼んでいます。頭と
顔の皮膚は構造的には表皮でつながっていますが、その厚みや表皮の下の構造が違
い、働きが違うのです。頭皮の硬さと血流は学術的にも研究されています。
個人差はあるものの男女とも20歳以降は女子には変化はないが、男子は著しく硬度
が増しと測定されています。人体で最も細胞分裂が活発なのが毛母細胞と生殖器、
腸の絨毛細胞で髪の維持には豊富な血流が必要なことがうかがえます。健康な髪をつ
くるために最も重要なことは、頭皮の血流促進にあるといってよいでしょう。
なぜなら、毛乳頭(髪や体毛をつくる毛母細胞の中にあり、毛を生み出している部位)
に酸素や栄養を届けるのは血液の役目だからです。
頭皮の血流が悪いと毛乳頭に栄養や酸素が行く届かず、髪やせや薄毛ばかりか、白髪
も多くなってしまうのです。その結果、薄毛が進み見た目が実年齢よりも老けて見え
てしまうようになってしまいます。